展示情報
Zigzag Curvy Meditation
有賀 慎吾 ARUGA Shingo 個展
期間:6月5日(月)~6月23日(金)
作家在廊期間:6月2日 (レセプション 18:00~)
定休:土・日・祝
あるとき蛇の駆除を任された。
不慣れな行為なので捕獲に手惑い中途半端に傷を負わせてしまった。このままでは蛇は息絶えるまで苦しむことになる。一刻もはやくあの世へ送るべく、私は蛇の首を刃物で切断した。「ラザロ徴候」と呼ばれる神経の反応によって、首のない蛇の体はそれ以前よりもさらに激しく蛇行運動をはじめた。私は恐る恐るそれに触れた。強張る筋肉と蛇腹の肌理、滑らかな幾何学的運動、生と死の狭間にある激しい生命のうねりを私は両の掌で感じた。蛇に人のような意識があるのかは知らない。脳を切り離された蛇はそれでも尚この宇宙の幾何学の一部として美しく地を這っていた。
芸術作品を作るのは人間だけではない。人間が道具を使い意図を持って何かを作るのに対し、アシナガバチは自動的で幾何学的な知性によって自らの身体を用い、それを写し取るかのように巣を構築していく。完全に合理的で無駄のない生きる芸術作品。蜂は芸術家であり、この宇宙の幾何学そのものだ。
私達の人間の身体もひとつの自然であり宇宙である。人間関係に疲れたら孤独になり自然と向き合えばいい。ホモ・サピエンスとして一対一でこの宇宙と話してみる。他の生命と等しく、私達もまたこの宇宙の幾何学の一部であることを思い出す。
略歴:
有賀 慎吾
1983 長野県生まれ
■ 学歴
2009年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業2015
2015年東京芸術大学美術研究科博士課程修了博士号取得
■ 主な個展
2014年 「SSS ‒ Space Spiral Spirit」(Art Center Ongoing東京)
2014年 「MMM ‒ Meta Material Museum」(Kodama Gallery、京都)
2016年 「Post Post Homo Sapiens Sapiens」(BLOCK HOUSE、東京)
2018年 「AAA – ANCIENT ASTRONAUT AESTHETIC – 」(Art Center Ongoing、東京)
2020年 「⁂ (Triple Eyed Perspective)」(HARUKAITO by island、東京)
2022年 「私は虫になりました」(Gallery10.TOH、東京)
■ 主なグループ展
2018年「THE MECHANISM OF RESEMBLING」CANCER (EUKARYOTE、東京)
2019年「Between figure and contour」(アジア・ドゥルーズ=ガタリ研究会議、アーツ千代田 3331、東京)
2020年「SUPER-NORMAL?」SUPER-NORMAL(Gallery OUT of PLACE TOKIO、東京)
2022年「New Works Vol.2」(駒込倉庫 Komagome SOKO、東京)
2023年「Modern times scatology -冥界の身体」(伊勢丹新宿店アートギャラリー、東京)