いつからか、植物に向き合う時身体の内側にふつふつと沸くエネルギーと説明のつかない感情に支配されている。

植物を密集させて創る2つの作品は、真逆のプロセスを経てできあがった。

枯れゆく植物の形を少しでも長く保つためにレジンの力を借りたもの。
本来は立体的であるべき植物に強い圧力をかけてあえて形を崩したもの。

長い長い時間をかけて
球形、もしくはそれに近い形の種から
独自の立体物へと昇華する植物たち

その神秘的な変化を自分なりの視点で観察し、断裁し、再構成することは
言葉では表しきれない植物の美しさを最大限に引き出し
見る人たちに、その魅力をすみずみまで伝えたいとの想いから。

今回の展示では、一部の作品を会場で開催直前に制作することで
植物を手にする瞬間に沸き起こったエネルギーの塊を
よりリアルに伝えたいと考えている。

2023年6月
bulbus 谷井聖

略歴：
谷井 聖
1992年 香川県生まれ

母、祖母の影響で幼少期より花や植物に興味を持つ。石田高校園芸デザイン学科、大阪ビジネスカレッジ専門学校フラワーデザインコースを経て、2011年よりフローリストとしてのキャリアをスタート。商業施設のディスプレイ、広告撮影のスタイリングなどを手がけ、2019年bulbusを立ち上げ。以降アート展の開催も定期的に行っている。