展示情報
Deux lumières
ふたつの光
犬丸暁 / 澄毅
期間:9月16日(土)~10月7日(土)
作家在廊期間:毎週土曜 (レセプション 15日18:00~)
定休 : 日・祝(9月23日は回廊)
犬丸と澄、この2人は2013年にパリで出会ってから、絶えずお互いの作品を注視してきた。それは二人の表現が絵画と自然、写真と人間と異なるものの、共通して「光」という存在に対して向き合ているからだ。
犬丸は幾重にも重ねた紙に植物を主なモチーフとした描き、凸レンズで集光した光を当てて、光の痕跡を残す制作手法をとっている。この手順を「Distillation solaire(太陽蒸留)」と名づけ、フラットな絵画とは異なる、立体的に光や生命を感じることのできる作品を制作している。
澄は主に人物をモチーフに、写真に映る「綺麗なもの」で完結するのではなく、その先の「見えない美を見出す」ことを目的に、写真がプリントされた紙に穴やスリット(切れこみ)を入れ、そこから光が溢れる作品などを制作している。それにより、写真の中では撮影時の光(過去の光)とスリットからあふれる光(現在の光)が併存し、現実では見出せない複合的な光の世界を展開している。近年では糸を用いて、本来は厚みのない写真表現に光をモチーフにした立体的な形を導入し、新しい美を見出そうとしている。
今回の展示では改めて「光」というテーマに向き合い、これまでの作品に加えて、今回の展示に向けた新作を展示する。
現在犬丸はパリ・ルーアン、澄は京都に在住しているため、どちらかの陽が沈んだ頃にもう一方の陽が昇る。同じ陽を見ながら、同時には見ることができない2人の作品が同じ空間に存在する本展。我々が立つ地球と、絶対的光の存在である太陽の存在を改めて感じていただければ幸いです。
犬丸暁 / INUMARU Akira
1984年 茨城県つくば市出身
2008年 武蔵野美術大学油絵学科修士課程修了
2013年 ル・アーブル/ルーアン高等美術学校博士課程修了
■ 主な個展
2023年「Mon Cher Jardin(私の親愛なる庭園へ)」ヴィランドリー城 (ヴィランドリー/仏)
2022年「Cimes et Racines(根と梢)」サン・トゥーアン聖堂 (ルーアン/仏)
2022年「Jardins flottants (たゆたう庭)」ミシェル・シリー美術館 (ヴァランジュヴィル=シュール=メール/仏)
2018年「Botanique (ボタニカル)」リュクサンブール公園内温室 (パリ/仏)
2018年「Langage des fleurs (花言葉)」MOCAK近代美術館 (クラクフ/波)
2015年「Kata-Dʼune lumière à lʼautre (光から光へ)」イヴ・クライン資料館 (パリ/仏)
■ 主なグループ展
2021年「Star Makers」Foro Boario 現代美術センター (オリスターノ/伊)
2018年「龍野アートプロジェクトinクラクフ」Mangghaミュージアム (クラクフ/波)
2018年「ファルマコンII」想念庵 (京都)
2017年「La Maison (家)」シテ・デ・リーブル (エクサンプロヴァンス/仏)
2013年「龍野アートプロジェクト2013」(龍野)
2012年「Inter:sections」関西日仏学館 (京都)
澄毅 / SUMI Takeshi
1981年 京都府生まれ
2004年 明治大学文学部文学科ドイツ文学専攻 卒業
2009年 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報芸術専攻 卒業
■ 主な個展
2023年「Photographs, lost and born」(hIDE)GALLERY TOKYO(東京)
2023年「petit à petit 3」ギャラリ想(名古屋)
2022年「ひかり•ゆび・自然」法然院(京都)
2021年「Belle lumière」 あべのハルカスアートギャラリー (大阪)
2020年「Les Fantaisies」Galerie Grand EʼTerna(パリ)
2019年「指と星」gallery Main(京都)
■ コレクション
2013年agnes b.
■ 主な作品提供
2021年 森美樹著「神様たち」表紙 (光文社)
2020年 ジェイアール京都伊勢丹の20周年リニューアルグランドオープン用ビジュアル
2020年 李琴峰著 「ポラリスが降り注ぐ夜」表紙 (筑摩書房)
2020年「群像第75巻第1号」表紙 (講談社)
2018年 島本理生 「匿名者のためのスピカ(文庫版)」表紙(祥伝社)
■ 澄毅 / 犬丸暁参加のグループ展
2021年「ROOTS」FLORE Arts Gallery (神戸)
2015年「KISʼs Project」Overland Gallery (東京)