展示情報
定点観測
URO joint exhibition
レセプション:12月15日 18時スタート
展示期間:12月16日~1月20日(10時~19時)
定休:土・日・祝・お正月(12月28日~1月4日)
当ギャラリーで初の合同展です。
オープンから現在まで約1年、過去に展示してくださった全作家さんが参加してくれました。
今回参加してくださった作家さんたち、ギャラリー運営を並走してくださっている裵さん、脇田さん、辻本さん、そして武内竜一さんに感謝とプレッシャーを送ります。
また、結果的に定点観測者となってしまったみなさまも、今後ともなにとぞ共犯者としてお付き合いいただけましたら幸いです。
田島恵美
1988 福岡生まれ
2013 九州産業大学大学院芸術研究科博士前期課程美術専攻 修了
間の時間
相手との関係性によって距離感、体感時間が変わる。
何かを待つ時間、なんとなく空いた時間、それは相手との関係によってなんともなければ、しんどいものだったりする、いまいちはっきりとしない時間。
相手を探っていいかなんて、果てのないもの。
互いが同じだけのおもいでいないかもしれないのに、形だけ存在する時間はいつでもない時刻を指す。
他をのぞく
他人の関係なんてどうでもいいはずなのに、蚊帳の外ではないと無自覚に安心しているときに蚊帳の外だと言われると、つい周りからのぞいてみたくなる。
そして知っているような顔をしたくなり、気づかずに自分が勝手におもう関係まで付け足してしまったり。
埒外の他者が勝手に関係性の尾鰭を含めて、更なる他者に提示していることも。
そうやって勝手に人をのぞき込んでいくのかもしれない。
■ 主な個展
2023年「田島惠美作品展」Gallery TK2/インターアート7(東京)
2022年「田島惠美作品展」Gallery TK2/インターアート7(東京)
2021年田島惠美作品展「SideB」Gallery TK2/インターアート7(東京)
2020年「潜むもの」EUREKA(福岡)
2019年「TASHIMA MEGUMI EXIBITION」ギャラリー猫亀屋(大阪)
2018年「田島惠美作品展」インターアート7(東京)
2017年「TASHIMA MEGUMI EXIBITION」ギャラリー猫亀屋(大阪)
「田島惠美作品展」インターアート7(東京)
■ アートフェア
2023年「ART FAIR TOKYO」GalleryTK2より出品
2022年「3331 ART FAIR 2022」GalleryTK2より出品
■ 主なグループ展
2022年「monochrome+α」GALLERY HANA SHIMOKITAZAWA(東京)
「穏やかな日常」art Truth(横浜)巡回・詩穂音(茨城)
「みえるモノ、みえないモノ」Gallery TK2(東京)
2020年Gallery TK2 オープン記念グループ展「MOVED and NEW:Ⅰ」Gallery TK2(東京)
2019年「版より紡ぎ出される物語」art Truth(横浜)
「monochrome+α」GALLERY HANA SHIMOKITAZAWA(東京)
「-版画集による国際交流-2019」沖縄県立芸術大学 図書芸術資料館 (沖縄)
2018年「ACT ART COM」アートコンプレックス・センター/インターアート7(東京)
2017年「版〜それぞれのこだわり〜」art Truth(横浜)
「ウムQ 九産大芸術学部作品展」上野の森美術館ギャラリー(東京)
2016年「新進芸術家育成交流作品FINE ART UNIVERSITY SELECTION 2016-2017」
茨城県つくば美術館(茨城)
2015年「明日への坩堝 東京藝大+福岡プロジェクト」福岡アジア美術館(福岡)
■ 受賞歴
「いい芽ふくら芽 in NAGOYA」優秀賞
「いい芽ふくら芽 in FUKUOKA」優秀賞
「アワガミ国際ミニプリント展2021」優秀賞
「東京国際ミニプリント・トリエンナーレ2018」入選
「第85回版画協会展」A部門賞候補
「第31回三菱商事アート・ゲート・プログラム」入選
「第82回版画協会展」B部門賞候補
「第9回高知国際版画トリエンナーレ展」入選
「第59回CWAJ現代版画展」入選
「第81回版画協会展」A部門入選(第84回)
「九州産業大学大学院修了制作展」優秀賞買い上げ
「第11回南島原市セミナリヨ版画展」島原新聞社賞
「第37回全国大学版画展」収蔵賞
■ コレクション
九州産業大学
町田国際版画美術館
多摩美術大学美術館
澄毅
1981年京都生まれ。明治大学文学部•多摩美術大学情報デザイン学科卒。「網膜の先の世界を見出す」ことをテーマに主に写真を用い、身体的な感覚を重視した制作過程で作品を発表している。
agnès b.コレクションに加えられたことをきっかけに2013年から2020年までパリ在住。
現地で個展などの作品発表を行い、日本帰国後は京都を拠点に制作と発表を続けている。
Stars are born in silence
「目の前にいる被写体の美しさ」の先、アウラを捉え、新しい造形として美を提示する。
私は写真を愛する一方で、写真に映る世界を信じてはいない。本質的なものは表層を超えた先にあると考えるからだ。そこを写真という表現を用いて見出したいと考えた時、私は糸を用いて新しい造形が「生まれでる」世界を写真の上に構築した。
彼女の腕はなんなんだろうか?
そうした漠然と提示したテーマを頭に乗せながら、指は自由に動き写真のプリントされた紙に糸を通していく。いつしか糸は幾重にも階層化され、彫刻的な立体となっていく。それはやがて形を作り、壊し、変形し、なくなり生まれ出ていく。そうした幾重にも起きる造形の生成と変化の先に現れたのは光の造形だった。彼女の手のひらから光を見出した。同時にその光が森の空気と反応し合い星が生まれるような世界が生まれた。
この写真の舞台となったのは琵琶湖の北の端。そこには羽衣伝説がある。
数百年前に空から降臨した天女が衣を残してまた天に戻ったという話だ。
湿り気のある森の写真の中に、ただ自然があり過去がある。
そのことを考えて、改めてこの光を見ると、それは新しい羽衣なのではないかと思えた。
光の衣。光は糸となり、それは記録と想像の干渉の中から新しい物語を形づくっていく。
■ 主な個展
2023年「The paper slits」s + arts (東京)
「Nii Fine Arts 10周年記念展-東京-」3331 Art Chiyoda (東京)
「等伯の桜と春の濃淡」まるごと美術館 / 妙蓮寺 (京都)
2021年「光、未来に向かって」Louise Claire WAGNER × 澄毅 / MYD Gallery (東京)
2020年「世界と溶け込むに至るまで」西村大樹 × 澄毅 / Spectrum gallery(大阪)
「東京好奇心2020 渋谷」Bunkamura (東京)
「galleryMain archive project #1」gallery Main (京都)
2019年「Le Japon」 Orangerie-Espace Toulière(Verrires le Buisson・フランス)
2018年「Shibuya - Curiosité de Tokyo」Mairie du 4e(パリ)
2014年「TOKYO SHIBUYA LOVERS PHOTOGRAPHERS」高松市塩江美術館(高松)
■ アートフェア
2023年「Infinity Japan Contemporary Art Show 2023」(台湾) / (hIDE) GALLERY
2021年「3331 Art Fair」(東京) / Nii Fine Arts
2017年fotofever(パリ)/ gallery Main
2016年affordable art fair(ニューヨーク)
2012年no found photo fair(パリ)/ リブロアルテ
TOKYO PHOTO 2012(東京)/リブロアルテ
■ コレクション
2013 agnes b.
■ 受賞歴
写真新世紀 佳作
一坪展 入選
■ 出版
2019年「指と星」 リブロアルテ
2012年「空に泳ぐ」 リブロアルテ
■ 作品提供
2023年雑誌 / 「THE FORWARD vol.6」(実業之日本社)
2022年文庫本 / 李琴峰著 「ポラリスが降り注ぐ夜」表紙 (筑摩書房)
単行本 / 西田剛著「恋の終わりに」表紙(幻冬舎)
単行本 / 李琴峰著「透明な膜を隔てながら」表紙(早川書房)
2021年単行本 / 森美樹著「神様たち」表紙 (光文社)
2020年広告 / ジェイアール京都伊勢丹の20周年リニューアルグランドオープン用ビジュアル
単行本 / 李琴峰著 「ポラリスが降り注ぐ夜」表紙 (筑摩書房)
雑誌 / 「群像第75巻第1号」表紙 (講談社)
2019年電子 / 真藤順丈著 「ビヘイビア(電子雑誌 : カドブンノベル)」(KADOKAWA)
2018年文庫本 / 島本理生 「匿名者のためのスピカ(文庫版)」表紙(祥伝社)
犬丸暁
1984年茨城県つくば市出身
2008年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2013年ル・アーブル/ルーアン高等美術学校博士課程修了
イカロスの実験 / 触れる
太陽の光に触れようとしてイカロスは蝋づけの翼が溶け、落下した。
ギリシャ神話の若者の物語の、その結末は悲しいが、僕が心を惹かれるのは彼の失敗ではなくて、光を求め高く高く飛ぼうとした彼の熱望だ。
光は希望や光明、栄光など美しくポジティブなものだと捉えがちだけど、強すぎる光は物を破壊し、乾かし、死へと導くものでもある。
それでも生き物は光を求める。
人間も、動物も、植物も、 昆虫さえ。
僕は光に触れたい。
太陽光を使ったドローイングや絵画作品、写真やパフォーマンスなどいろいろな手法を使って制作しているけど、ベースにはいつもそのイカロスと同じ熱望がある。
もし光が物質として触れられるものだったら。
化学的には不可能かもしれないけれど、それを可能にできるのがアートの力だと思う。
今回は色彩を多用した絵画作品を発表する。
僕が色彩について語るとき、その言葉は光の類似語として使っている。
物質自体に色彩があるわけではなく、物質から跳ね返された光の一部が眼球を通して脳内で色彩として感知する。
制作過程で顔料をアクリルメディウムに混ぜることに多くの時間を要しているのだが、その工程は顔料を光子だと想像して“光のペースト”を練り上げる作業だと妄想している。
その“物質になった光”を支持体に定着させる。
今回の作品は谷川さんの意向で『売れること、誰かの目を気にすること』から解放して、自分が作りたい物を作ることに徹底させていただいた。
本シリーズは2020年に実験的に作り始めたものの、出来たものにどこか暗い死を彷彿させてしまうものがあり、自分の表現したい光というテーマから離れてしまうように感じた。
コロナ禍の真っ最中だったこともあり、ふさわしい内容ではなく感じて制作を断念していたものだ。
谷川さんにいただいた機会を利用して完成させようと決めた。
使われた手型と足型は友人のアーティスト二人の手と自分の足である。
ちなみにその光のペーストには、ある“隠された光”が練り込まれている。
置いてあるブラックライトでこっそり観察していただきたい。
この作品を通して光を感じ、光に触れる想像をして楽しんでいただければ幸いです。
この機会を与えてくださった谷川さんに心から感謝いたします。
■ 主な個展
2023年「Mon Cher Jardin(私の親愛なる庭園へ)」ヴィランドリー城(ヴィランドリー/仏)
2022年「Cimes et Racines(根と梢)」サン・トゥーアン聖堂(ルーアン/仏)
「Jardins flottants(たゆたう庭)」ミシェル・シリー美術館(ヴァランジュヴィル=シュール=メール/仏)
2019年「Germination (萌芽)」Galerie Storme-Facci(リール/仏)
2018年「Botanique(ボタニカル)」リュクサンブール公園内温室(パリ/仏)
「Langage des fleurs(花言葉)」MOCAK近代美術館(クラクフ/波)
2017年「Incandescence(白熱光)」ギャラリーG.A.G(ボルドー/仏)
2016年「Portrait des plantes(植物の肖像)」市立植物園(ルーアン/仏)
2015年「Kata−D’une lumière à l’autre(光から光へ)」イヴ・クライン資料館(パリ/仏)
■ 主なグループ展
2021年「Star Makers」Foro Boario 現代美術センター(オリスターノ/伊)
「ROOTS」2020 FLORE Arts Gallery(神戸)
2020年「FEUX!(炎!)」Galerie Céline Moine(リヨン/仏)
2018年「龍野アートプロジェクトinクラクフ」Mangghaミュージアム(クラクフ/波)
「ファルマコンII」想念庵(京都)
2017年「La Maison (家)」シテ・デ・リーブル(エクサンプロヴァンス/仏)
2015年「KIS’s Project」Overland Gallery(東京)
2013年「龍野アートプロジェクト2013」(龍野)
「興福寺国際美術展」興福寺(長崎)
2012年「Inter:sections」関西日仏学館(京都)
■ 受賞歴
助成金「Bourse Arts visuels」 (セーヌ=マリティム県支給) 2019 第23回アントワーヌ・マラン賞 /3等
助成金「Aide à la création」(DRAC Haute-Normandie支給)
有賀慎吾
1983 長野県生まれ
2009 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2015 東京芸術大学美術研究科博士課程修了博士号取得
Meta Material Massage
地球上の生命は、その環境を構成する自然のマテリアルから必要なパターンを見つけ出し利用する。
パターンと非パターンあるいは生命と非生命、その間にある緩やかなグラデーション。
カモフラージュとシグナルは共通の肌理の上に表現される。
モルフォチョウの翅は表裏で色相環の両極-輝く空色の表面と、枯れ葉色の裏面、異なるふたつの光学的パターンを持つ。
モミジが落葉するまでの緑黄橙赤などの色彩的変化が、他の生命、特に私達人間にもたらす心的効果は、植物が他の生命に与える余剰性に由来する。
本作“Meta Material Massage”は人間が持つパターン認識に対して視覚的に働きかける=按摩(マッサージ)することを意図しており、蛇行する曲線は作者の物理的身体の動きを写し取ったものである。
ジグザグにカーブする線は一定の単純な運動性から生じる。
その曲線がなんらかの像を結ぶとき、それは同時に既に現れている像やパターンが解かれ、単なる曲線やマテリアルに戻る瞬間でもある。
その間(あわい)にある緩やかなグラデーション、行きつ戻りつ現れては解かれる生命と非生命のパターン。
それらに接触することなく接触し、見ることなしに見ることを試行する。
■ 主な個展
2022年「私は虫になりました」 Gallery10.TOH、東京
2020年「⁂ (Triple Eyed Perspective)」 HARUKAITO by island、東京
2018年「AAA – ANCIENT ASTRONAUT AESTHETIC – 」 Art Center Ongoing、東京
2016年「Post Post Homo Sapiens Sapiens」 BLOCK HOUSE、東京
2014年「SSS ‒ Space Spiral Spirit」 Art Center Ongoing東京
「MMM ‒ Meta Material Museum」 Kodama Gallery、京都
■ 主なグループ展
2023年「Modern times scatology -冥界の身体」(伊勢丹新宿店アートギャラリー、東京)
2022年「New Works Vol.2」 駒込倉庫 Komagome SOKO、東京
2020年「SUPER-NORMAL?」SUPER-NORMAL Gallery OUT of PLACE TOKIO、東京
2019年「Between figure and contour」 アジア・ドゥルーズ=ガタリ研究会議、アーツ千代田 3331、東京
2018年「THE MECHANISM OF RESEMBLING」CANCER (EUKARYOTE、東京)
藤倉翼
1977年北海道北広島市生まれ。
広告写真業のかたわら、2003年以来様々な写真作品を発表している。
代表作に、消えゆくネオンサインをモチーフにアノニマスな職人たちのクラフトマンシップにリスペクトを捧げながら、自身の敬愛するかつての美術運動との融合を試みている”NEON-SIGN(ネオンサイン)”
一見して群衆となっている人々から、よく見るほど見えてくる一個人のおかしみを独自の方法で可視化することで写真理論に一石を投じる”Lines of relation(関係線)”がある。
関係線
私は子供のころから人間観察が好きで通りを歩く人々をいつまでも飽きずに見ていられた。
私は同じ場所と時間に集まる人間の関係の交錯に興味がある。
同じ方向を向く集合、バラバラの方を向く集合。
人間同士の感情が描き出す、各々の関係を結び合う線は
あっという間にその場所、その写真を埋め尽くす。
その興味深い美しさこそが私の風景愛であり
その全てをカメラに吸い込むことができないかといつも考えている。
■ 主な個展
2023年「NEON-SIGN9」(KG+Pickup) VOU(京都市)
2021年「NEON-SIGN8」Kanzan gallery(東京都)salon cojica(札幌市)
2018年「NEON-SIGN7」TEMPORARY SPACE(札幌市)
2017年「NEON-SIGN」VOU(京都市)
「NEON-SIGN」LAD GALLERY(名古屋市)
「NEON-SIGN」鮨いそのギャラリー(札幌市)
2016年「NEON-SIGN」KIITOS(札幌市)
「NEON-SIGN」tokyoarts gallery(東京都)
「NEON-SIGN」CAI02 Raum2(札幌市)
2010年「日常的非日常」ROOM11 artspace(札幌市)
2009年「つば写」テンポラリースペース、Pippin(札幌市)
2007年「藤倉翼写真展」ほくせんギャラリーアイボリー(札幌市)
他グループ展など多数
■ 受賞
・PX3 Professional Press Honorable Mention
・KG+AWARD 2019 ファイナリスト
・PX3 Silver Winner
・IPA Oneshot:Street Photography Honorable Mention
・東川国際写真フェスティバル
・赤レンガ公開ポートフォリオオーディション 準グランプリ
・エスクァイアデジタル写真賞06-07 Art of still life賞
■ コレクション
札幌芸術の森美術館
ワタナベメイ
1989年新潟県生まれ。
着彩した下地を細かく削ることで描画する独自の技法を用いて、平面作品や立体作品を制作。
インスタレーションや展示設営なども行う。
2020年からは、3DCGや版画技法を用いた作品を展開。
アイコンやアバターなどの仮想の人物の身体像を主なモチーフとし、その身体性や存在感を制作構造と関連させた表現として探究している。
Sequence_fig3_d / Sequence_fig3_dw
3DCGのオブジェクトという物質を持たない存在がいま・ここにあるということを、図像の出現から消失という変化の過程によって表現する。
デジタルデータである3DCGオブジェクトをリトグラフの版を用いた図像に置き換えることで、その出現から消失までを疑似的に示し、リトグラフによるイメージを一覧にしてシルクスクリーンによって作品にしたものが《Sequence_fig3_db》、《Sequence_fig3_dw》である。
版画は版を介して行われる複製技術だが、無限に複製できるわけではなく版もいずれ壊れる。
版に油性の描画材で描画したものを水と油の反発作用によって版にする技法がリトグラフであり、親油性と親水性の部分を一枚刷るごとに反応させることで、次第に版は壊れて最後には描画された図像は消えてしまう。
シルクスクリーンでは、インクの色を変え複数回刷り重ねることでインクの物質感や色の重なりによって図像に厚みを持たせ、図像の上に重なる模様はリトグラフの1枚目から100枚目までを刷る工程という反復を思させる筆致となっている。
3DCGオブジェクトという仮想の像は、「いま・ここ」のような一回性・唯一性のない「いつでも・どこでも」といった複数性を持つ再現性の高いものである。
本来は風化することのないものを徐々に現れて失われていくように見せることで、そこには消失へ向かう変化の道のりが示される。
その消失への変化の道のりによってこそ、仮想の像がいま・ここにある存在として立ち上がるのではないだろうか。
■ 主な個展
2022年ワタナベメイ展「composition」(豊栄地区公民館・新潟)
ワタナベメイ展「レンダリング」(羊画廊・新潟)
2021年「object」(maison de たびのそら屋・新潟)
2020年ワタナベメイ展「いろんなからだ」(羊画廊・新潟)
2019年ワタナベメイ展「かおをつくる」(羊画廊・新潟)
2018年ワタナベメイ展「私のポートレート」(羊画廊・新潟)
2017年ワタナベメイ展「きみのポートレート」(羊画廊・新潟)
2016年ワタナベメイ展「ファンシーポートレート」(羊画廊・新潟)
■ 主なグループ展
2023年「第66回CWAJ現代版画展」(代官山ヒルサイドフォーラム・東京)
2022年「ながゆく」(金沢湯涌創作の森ギャラリー・石川)
2020年「美術にみる 型とシンボル展」(北区郷土博物館・新潟)
2019年「コンシン展」(gallery UG・東京)
2018年「VOCA展 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」(上野の森美術館・東京)
2016年「EXIST Vol.11」(JINEN GALLERY・東京)
■ アートフェア
2019年3331 ART FAIR(3331 Arts Chiyoda・東京)【‘21,’22】
2018年BAMA(BEXCO・釜山・韓国)【’19】
ART BUSAN(BEXCO・釜山・韓国)【’19】
2014年Korea International Art Fair(COEX・ソウル・韓国)【’16, ’17, ’18, ’19】
2012年DEAGU ARTFAIR(EXCO・大邱・韓国)【’13】
■ 受賞
「第66回CWAJ現代版画展」入選
「NIIGATAオフィスアートストリート 2011」商工会議所特別賞
「コニカミノルタエコ&アートアワード2011」入選
「NIIGATAオフィスアートストリート 2010」商工会議所特別賞
影山凜太郎
1998年神奈川県生まれ。2020年東京藝術大学美術学部卒。埼玉県在住。
スケッチやドローイング、ノート作り、絵画などを通して日常の中の名前のついていない時間や経験を発見しようと制作する。
少しずつ、または大きく変化し続ける環境に、些細なアイデアを組み合わせ変形する。作品はアイデア自体、またその断片の記録でありながら、作られる中で対象を失い玩具やただの雑貨のようなものへ戻っていき、また新しく置かれた場所で環境に些細な変化をもたらす。
今回の展示の2枚の作品は、自作の木製の壁3枚と床1枚を舞台に、その周囲にある身体、湿度や温度、密度を主題として制作された。
かゆみ / itch 鼾 / snore
鼾(いびき)は起きた身体と横たわる身体の間に身体の垢とともにある。
- 1. Aの壁、Bの壁が隙間をあけてL字に立っている
- 2. 床(Cの壁)には、水桶、サーキュレーター、7枚のパネルが置かれている
- 3. Aの壁に6枚、Bの壁に5枚、パネルが掛かっている
- 4. Bの壁からCの壁を挟んだ反対側にDの壁がある
- 5. Dの壁には3枚パネルが立て掛けられている
- 6. Aの壁が床である時、Cの壁は壁になる
- 7. Bの壁が床である時、Dの壁は雨よけになる
- 8. 火、金曜日に無作為にパネルを1枚他の壁にを移動させる
- 9. パネルが最も多く掛かっている壁が下を向き、水桶、サーキュレーターも置かれる(床になる)
- 10. Aの壁に立ち姿の人間が一体固定されている(足を壁に固定)
- 11. Cの壁が床である時、人間は仰向けの向きになる
- 12. 立ち姿から仰向けになる時人間は眠りに落ちる
- 13. 仰向けから立ち姿になる時人間は眠りから覚める
高棹祥太
1994年生まれ。大阪芸術大学を卒業後、偶然が生む面白さをテーマに、コラージュで人物や動植物、物体などのモチーフを描く手法を使い、制作活動を行っている。
etsubo / by side
ファストカルチャーを象徴する雑誌という消費物を使用し、消費物をそこで終わらせず中間地点として作品にすることで、消費後の価値を未来に残せると考えています。
■ 主な個展
2023年「willow yamanashi popup 」(山梨)/willow yamanashi
2022年「willow popup 」(大阪)/willow
2021年「meaningless 」(東京)/ e+ living room cafe&dining
2020年「superme」 (大阪)/ber FREEKY
2019年「time loop」(大阪)/Zepp Namba
■ 主なグループ展
2022年「3way」(東京)/FOTO代官山
「コラージュ展」(東京)/+ART GALLERY
2021年「9×9」 (大阪)/慶沢園 長生庵
2018年「イコールフェスティバル indeed gallery」(大阪)/天人ber朱夏
■ アートフェア
2023年art stage OSAKA (大阪)/大阪芸術大学ブース
2019年UNKNOWN/ASIA 2019(大阪)
ART OSAKA2019 (大阪)/大阪芸術大学ブース
2018年UNKNOWN/ASIA 2018(大阪)
2017年JAM 2nd Audition(東京)
本間理恵子
2010年より独学で写真を表現手段に作品制作を始める。 「白昼夢」「少女たちの脆さ、不安定さ」「心の中と現実の境界線」などをテーマに写真によって形のないものに形を与えたいと思い表現し続けている。私にとって、写真を撮ることは 現実逃避の手段でもある。どこか奇妙な空気感、いびつさがもつ美しさ、不完全であるがゆえの調和。不可思議な夢のような描写は、現実逃避願望のあらわれなのかもしれない。
CUBE
この世界には多くの情報が溢れている。
ネガティブな感情が呼び起こされるニュースや、ネットに満ちる匿名の悪意。言葉の凶器。
耳を塞ぎ、目を伏せたくなるようなそれらに触れてしまったとき
私は自分の殻に閉じこもり、現実から逃げ出したくなる。
私の作品の中に登場するガラスは、内側を人の心、外側を現実とみなし、ふたつの世界を分離する境界を表している。
孤独で不自由に見えるこの箱はストレスの多い現実世界から、一時的に逃げ込める心のシェルターとも言えるだろう。
私は撮影の時、被写体に対して基本的に指示を出さない。
透明な箱の中は、外からの声は届かず、環境音さえも聞こえない。
自身の息遣いのみを感じながら、彼らは何を考えて、どのように動くのか。
内側は他者が干渉できない世界となる。
同時に、それぞれ複雑な内面を持った中の人と彼らを取り巻く外側の世界との関わり方をも映し出そうとしている。
誰かと繋がりたい願望。
見えない隔たりによってそれが叶わない葛藤。
現実からの逃避がこの作品のテーマとなっている。
私には、心のシェルターが必要だった。
自分の弱さを受け入れた上で、自分にできる表現をしていきたい。
■ 主な個展
2023年icon CONTEMPORARY PHOTOGRAPHY 2023/ AXIS Gallery
ELOQUENCE Harmonizing Fashion and Culture / 札幌PARCO
BEYOND THE AGES PORTRAIT / Sansiao Gallery
2022年icon CONTEMPORARY PHOTOGRAPHY Ⅱ / AXIS Gallery
2021年白日夢 / フジフィルムフォトスクエア 東京ミッドタウン
2018年式日 / Gallery 子の星
FINE LINE / Sansiao Gallery Hong Kong
REUNITE / MASATAKA CONTEMPORARY
The Female Gaze / gettyimages gallery London
ニュースターアートコレクション / 松坂屋名古屋店
2017年シブヤスタイル vol.11 / 西武渋谷店
REM / SHIRONEPRSSO
Raison d’être / BankART Studio NYK
2016年シブヤスタイル vol.10 / 西武渋谷店
HOMMAGE / Sansiao Gallery
2015年シブヤスタイル vol.9 / 西武渋谷店
photo op / MASATAKA CONTEMPORARY
Sink Into The Dream / Gallery NIW
■ 受賞
・PhotoShoot Awards NUDE 2020
・3rd prize
■ 書籍装丁
白井智之「東京結合人間」角川書店
内藤了「LEAK」角川書店
彩瀬まる「やがて海へと届く」講談社
Meg Wolitzer 「QUELLO CHE NON SAI DI ME」
三島由紀夫「真夏の死」フランス語版
田南透「翼をください」東京創元社
長江俊和「恋愛禁止」角川書店
李琴峰「星月夜」集英社
伊坂幸太郎「バイバイ、ブラックバード」双葉文庫
風間直樹「ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う」東洋経済新報社
谷井聖
1992年香川県生まれ。母、祖母の影響で幼少期より花や植物に興味を持つ。石田高校園芸デザイン学科、大阪ビジネスカレッジ専門学校フラワーデザインコースを経て、2011年よりフローリストとしてのキャリアをスタート。商業施設のディスプレイ、広告撮影のスタイリングなどを手がけ、2019年bulbusを立ち上げ。以降アート展の開催も定期的に行っている。
frame
frameは植物が乾燥による変化をレジンの張力で、形を保存した作品
植物は時間をかけ、芽を伸ばし成長し形を気付き、そして、他の物質と比べ速やかに崩壊していきます。
この作品は3ヶ月前、このギャラリーの中で生まれその後時間をかけて、ゆっくりと変化を遂げています。
その変化を可視化させた作品がframeです。